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活動報告
更埴活動報告
2017/01/31

物理化学研修会 「望遠鏡作りを通して、望遠鏡のしくみを考える」報告

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平成28年度 更埴理科研究同好会 物理化学研修会     H29.1.28  
「望遠鏡作りを通して、望遠鏡のしくみを考える~光の進み方を使って~」

講師 総合教育センター教科教育部 専門主事 渋谷 孝信先生


1月28日(土)に埴生中学校にて、渋谷孝信先生を講師にお招きし、ルーペを使って、光の実像・虚像を複合して作図で考えながら、屈折式望遠鏡を自作する研修会が行われました。

以下はその内容になります。

(1)ルーペの2倍と3.5倍の特性と望遠鏡の歴史

 

・1枚ずつで、近くで拡大して見える像は実像。手を遠くにすると、逆の虚像の風景が見える。

2枚重ねると、拡大して見える。これが、望遠鏡のレンズの原理。

・ハンス・リッペルスハイは、自分で教会の風見鶏をレンズを2枚重ねて見てみると、大きく見えたことから望遠鏡を作ったという説。

もう一つの説は、店に遊んでいた子どもがレンズを重ねていたのを見て、望遠鏡をひらめいたという説。

~子どもの遊びからの発想は大事~

 

・凸レンズと凸レンズの組み合わせの望遠鏡は、上下左右が反転するという欠点はあるが、視野は広いという利点がある。ヨハネス・ケプラーが考案。屈折式望遠鏡となる。1600年代に考えられたケプラー式が現在でも使われている。

 

・凸レンズと凹レンズの組み合わせの望遠鏡は、正立した像になる。しかし、視野が狭いので、オペラグラスぐらいにしか使われていない。ガリレオ・ガリレイの望遠鏡。

 

・アイザック・ニュートンは、反射望遠鏡を考案。レンズ径が大きくなり、星雲発見につながる。

 

(2)2枚の凸レンズの望遠鏡の仕組みを作図で考える

・1枚目は、実像ができる。その実像をさらに光源にして、2枚目の凸レンズで虚像になり、レンズを通して見ると拡大した像になる。これが望遠鏡で拡大した像が見える原理。

・作図なども、中1の授業の延長でできる。

学習問題「上下左右逆にしかも大きく見えるのはどういうわけか」

 

・望遠鏡の筒は、対物レンズの焦点距離の長さ以上があればいい。

 

・レンズの焦点距離の求め方は、公式もあるが、太陽の距離はあまりにも遠いので、太陽光を使って焦点の距離を測れば、そのまま焦点距離になる。

・太陽を使わないときは、レンズを通して印刷の文字を見て、文字がぼやける瞬間の距離が焦点距離になる。

 

・望遠鏡の倍率の求め方は、

 「倍率=対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離」となる。

 

・例えば、2倍レンズで焦点距離18cm÷3.5倍レンズで焦点距離10cm=1.8倍となる。

 

・今回作成する望遠鏡は、3.5倍のレンズを2枚重ねたものを使用するので、2倍レンズ焦点距離18cm÷3.5倍レンズを2枚重ね焦点距離5cm=3.6倍の望遠鏡になる。

 

※対物レンズと接眼レンズが同じ焦点距離だと、1倍になる。

対物レンズ側の方が接眼レンズより焦点距離が長くないと、大きく見えない。

 

(3)3.6倍の望遠鏡の作成。

・鏡筒は直径がわずかに違う塩ビ管2本をつかって、部品を接着剤で貼り付けながら作成していく。

※接着剤が、レンズなどについてしまったら、消毒用アルコールで拭くと取れる。


・頑張って、作成。

・無事、完成し大きく風景などが見えます!

・これで星空を見ると、金星の満ち欠けやオリオン大星雲、スバルの星々が見えます。

【感想】
研修会で渋谷先生に教えていただきながら、実像を光源にして、もう一つのレンズで虚像にして見るということを作図を使って自分たちで考えることで、望遠鏡が拡大して見える原理が分かり感動しました。中1で学習したことの延長で作成されていることが分かり、理科の奥深さと生活と結びつくことのおもしろさを改めて感じました。レンズを2枚重ねると倍率や焦点距離が変化することや、2枚のレンズを組み合わせる発想など、目から鱗でした。柔軟に発想するものの見方や行動が大切なことも実感し、学習の中で子どもたちにそんな時間も作っていきたいと思いました。


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2016/08/10

H28年度 夏期研修会~更埴地方の地層の特徴~

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平成28年度 更埴理科教育研究会 夏期研修会~更埴地方の地層の特徴~活動報告
~概要~現在は陸地であり、標高の高い山になっているが、この千曲市もかつては海だった。その当時に、海底の火山活動により、ローム層ができたり、流紋岩・安山岩の地層ができたりした。その当時の様子を知る路頭は、道路の崩落防止のため、コンクリートで表面を固められてしまっている箇所も多くあるが、直接見ることのできる場所もある。講師の八幡小学校の若林一成校長先生に案内していただきながら、貴重な路頭を観察した。

平成28年7月29日

「千曲市 冠着山周辺 聖湖 古峠 鳥居平」

・ローム層の観察

・流紋岩、安山岩の路頭観察

以下は路頭の観察した場所の特徴。

(1)聖湖東 ローム層


更埴地方の火山灰は、森地域の宮坂峠は古期ロームで約30~60万年前と古く、冠着山周辺は新しく焼く0万年前以降の新期ロームである。大町方面に向かって厚く堆積していることから、立山火山からの噴出物であり、黒雲母・長石・輝石・ガラス類が含まれている。

(2)聖湖南東 凝灰角礫岩


一本松峠から鳥居平までの道路沿いの路頭で見られる。冠着山周辺では一番新しい第三紀層になる。長楽寺の姥石、雌石もこの凝灰角礫岩と同じもので、土石流で運ばれた説と、姥石は地下からの貫入による安山岩の岩体の路頭ではないかという説がある。

(3)一本松峠 東 凝灰角礫岩


凝灰角礫岩でも砂岩、泥岩を含んでいたり、硬質であったりして、様相は違っている。塩野入忠雄氏は、安山岩質凝灰岩としている。約600~700万年前の海退期の最後の海の海底堆積物である。

(4)古峠 高原状平坦面と侵食

海抜1000mほどには、千曲高原(ゴルフ場)、坊城平(更科)、鳥居平(上山田)、大黒平(上山田)、和平(坂城町)がある。

これらを繋げて、西に延長すると大町市東の大峰に平坦面を想像でき、これが第四紀初期に形成された「大峰面(隆起基準面)」で、侵食により深く削られていった。前日の高原状平坦面は、侵食断片で残ったものであり、冠着山は大峰面上に侵食し、残された安山岩の残丘である。

(5)古峠 東 安山岩


羽尾地区に抜ける林道は、崩落箇所があり車では直接行けないため、歩いていった。途中アサギマダラやマタタビの実、ツユクサなどの動植物を見ることが出来た。路頭はやや緑がかった安山岩で、地下からの貫入による岩脈である。冠着山も安山岩からできている。

(6)鳥居平 西 熱変質の凝灰角礫岩


全体的に白っぽく、崩れやすくなっている。冠着山形成による、安山岩質マグマによる熱変質を受けた。

~参加した感想~

今は山(冠着山)になっているが、その昔は海であり、それが隆起して標高の高い所に平らな面があったが、侵食され残った部分は山になり現在の地形になっているという時の雄大さに驚いた。火山灰の堆積によるローム層の堆積の厚さも数mもあり、当時の火山活動の激しさが想像できた。何気なく、通っている山道だったが、路頭に着目していくことで、この地域の歴史や成り立ちがわかり、とても勉強になった。


 

 

 

 

 




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