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活動報告
更埴活動報告
2019/03/09

研修会報告

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平成30年8月6日と7日,千曲川の源流・川上村の地質について,研修会を行いました。

その様子を掲載します。ご覧ください。

平成30年度更埴理科研究同好会 千曲川の源流 川上村の地質 研修会報告.pdf
17:09 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)
2018/08/08

佐野川上流 調査探検 報告

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平成30年7月14日(土)に佐野川上流調査探険を行いました。

その様子を掲載します。ご覧ください。

平成30年度更埴理科研究同好会 佐野川上流調査報告.pdf
11:06 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)
2018/02/22

平成29年度 物理化学研修会 報告

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平成30年1月27日(土)に行われた研修会の様子を掲載しました。

ご覧ください。

物理化学研修会「いろいろな仕組みで発電してみよう」
         ↓
butsurikagakukousyuukai300127.pdf
10:10 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0) | 報告事項
2017/12/08

平成29年度 生物地学研修会 夏期研修会報告

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平成29年度 更埴理科教育研究会 夏期研修
~志賀高原の地形・地質・水質・植生の特徴~

日時 8月2日(水)~8月3日(木)

概要
 志賀高原一帯は20万年前の地殻変動によって形成された堰止湖が湿原化した地形で、横手山や岩菅山等の山々を擁する、標高約2000mの亜高山帯である。現在も続く火山活動により噴出した硫黄分により、大沼池等の湖水の多くは強酸性を示し、魚類は生息しない。
 植生はシラビソやオオシラビソの針葉樹林とダケカンバの混交樹林で、これにツツジやクマザサ等の灌木が加わる。昆虫・野鳥も多く見られ、硯川にはゲンジボタルの生息地があるが、これがほたる温泉の由来になっている。一部の河川にはサンショウウオが生息している。
 一帯は古くから佐野・沓野~草津の流通の道として、又、信州・上州両国の人々の入会地として利用されてきた歴史がある。
 その豊富な森林資源や鉱床を求めて、幕末期には松代藩の洋学者・佐久間象山(181164)が開発に乗り出し、科学的な調査記録を残した。その際に発見されたと伝えられる熊ノ湯等の温泉は、近代以降も多くの人々が訪れる観光地となり、現在は国立公園に指定されている。
 今回は、志賀高原の地形・地質・水質・植生等、主に自然地理学的な観点から観察できる経路を、専門ガイドの斉藤裕樹さんに案内を頂きながら、約16kmの行程を半日掛けて踏査した。
 ルートは以下の通りである。
【熊の湯・ほたる温泉~前山~渋池~象山の森~鉢山~志賀山~四十八池~大沼池~清水】

平成29年8月3日(木)
午前9時・曇・22
ほたる温泉のリフトに乗り前山に集合、ガイドの斉藤裕樹さんも合流し、トレッキング開始。

象山の森

大小の浮島が漂う渋池

渋池は、その名の通り火山活動により水が強酸性となっている。水底は褐鉄鉱により赤褐色に見える。植物の遺骸が浮島となって、動いているところが見られることもあるという。水際には食虫植物モウセンゴケが群落を作っている。

シラビソの極相林

木道脇の湿地には獣の足跡

 シラビソ等の針葉樹林とダケカンバ林にクマザサの灌木が続く亜高山帯の植生である。腐植層からは手の平サイズのヤスデが見付かる。湿地には獣の足跡も散見された。
 鉢山に至る登山道の通称は「象山の森」。嘉永年間に佐久間象山が一帯の森林・地質を科学的に調査したことに由来する。その記録は「沓野日記」に詳しい。象山は、日記に気温や温泉の水温を華氏検温器(ファーレンハイト温度計)で計測している。この辺りでは、針葉樹からテレメンテイナ(テレビン)油を採取し、精製して医薬品や火薬の原料に用いている。

濃霧の中鉢池を僅かに確認

ワタスゲが茂る四十八池の1

 鉢山は、2万年前の火山活動によって噴出したマグマの急冷により形成されたスコリア丘である。山頂からやや下った位置には鉢池と呼ばれる円形の火口湖が見られる。
 一旦平地に出ると、四十八池と呼ばれる湿原に出る。以前は深い湖沼だったが、長い年月を経て植物の遺骸が泥炭となって堆積し、少しずつ埋め立てられて草原へと遷移している。

志賀山から大沼池を望む

大沼池

午前1150分・晴・20
 志賀山の山頂で昼食。徐々に雲が晴れて、眼下に大沼池を見下ろす。火山活動により溶け出した金属成分により湖水は美しい青色をしている。
 大沼池は、有史以前に火山噴出物により河川が堰き止められて形成された堰止湖であるが、水深は最大で26mもあると言われている。
 湖水に流入する川の水を口に含むと酸味と渋味が混ざった様な味がする。付近の地下に分布する黄鉄鉱や黄銅鉱が地下水に溶け出し、水質はpH4の強酸性となる。生物は、藻類が僅かに見られるだけである。水底の石を採集してみると、鉄分により赤褐色に変色している。
 又、水底の一部からは、絶えず気泡が噴き出しているのが観察される。火山性のガスなのかどうかは不明である。
 大沼池には、その神秘的な姿から古来より竜神(大蛇)の伝説があり、湖畔には竜神を祀った祠がある。現在でも毎年8月下旬に大蛇祭が行われている。祭の由来となった、大沼池の主「黒竜」と領主の娘「黒姫」の物語はよく知られている。

褐鉄鉱の付着した水底の石

池尻付近から志賀山方面を遠望

 大沼池を過ぎてからは平坦な道を歩いて発哺温泉方面に向かう。途中、残雪が見られた。
 安山岩質の岩塊の隙間からは、冷たい空気が絶えず噴き出している。風穴である。よく観察すると、ヒカリゴケが淡い光を放っていた。

ヒカリゴケが見られる風穴

清水公園の湧水で疲れを癒す

午後4時・晴・24
 清水公園口にてトレッキング終了。ここの水は酸味も渋味も無く、清冽な湧水である。湧き出し口の一部には石灰質の沈殿が見られる。水質は酸性では無さそうである。全員で渇きと疲れを癒し、宿舎に向かった。実地を体験することの大切さに改めて気付かされる1日になった。

志賀高原の地史や植生について実地研修

標高2041m鉢山の頂にて




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2017/01/31

物理化学研修会 「望遠鏡作りを通して、望遠鏡のしくみを考える」報告

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平成28年度 更埴理科研究同好会 物理化学研修会     H29.1.28  
「望遠鏡作りを通して、望遠鏡のしくみを考える~光の進み方を使って~」

講師 総合教育センター教科教育部 専門主事 渋谷 孝信先生


1月28日(土)に埴生中学校にて、渋谷孝信先生を講師にお招きし、ルーペを使って、光の実像・虚像を複合して作図で考えながら、屈折式望遠鏡を自作する研修会が行われました。

以下はその内容になります。

(1)ルーペの2倍と3.5倍の特性と望遠鏡の歴史

 

・1枚ずつで、近くで拡大して見える像は実像。手を遠くにすると、逆の虚像の風景が見える。

2枚重ねると、拡大して見える。これが、望遠鏡のレンズの原理。

・ハンス・リッペルスハイは、自分で教会の風見鶏をレンズを2枚重ねて見てみると、大きく見えたことから望遠鏡を作ったという説。

もう一つの説は、店に遊んでいた子どもがレンズを重ねていたのを見て、望遠鏡をひらめいたという説。

~子どもの遊びからの発想は大事~

 

・凸レンズと凸レンズの組み合わせの望遠鏡は、上下左右が反転するという欠点はあるが、視野は広いという利点がある。ヨハネス・ケプラーが考案。屈折式望遠鏡となる。1600年代に考えられたケプラー式が現在でも使われている。

 

・凸レンズと凹レンズの組み合わせの望遠鏡は、正立した像になる。しかし、視野が狭いので、オペラグラスぐらいにしか使われていない。ガリレオ・ガリレイの望遠鏡。

 

・アイザック・ニュートンは、反射望遠鏡を考案。レンズ径が大きくなり、星雲発見につながる。

 

(2)2枚の凸レンズの望遠鏡の仕組みを作図で考える

・1枚目は、実像ができる。その実像をさらに光源にして、2枚目の凸レンズで虚像になり、レンズを通して見ると拡大した像になる。これが望遠鏡で拡大した像が見える原理。

・作図なども、中1の授業の延長でできる。

学習問題「上下左右逆にしかも大きく見えるのはどういうわけか」

 

・望遠鏡の筒は、対物レンズの焦点距離の長さ以上があればいい。

 

・レンズの焦点距離の求め方は、公式もあるが、太陽の距離はあまりにも遠いので、太陽光を使って焦点の距離を測れば、そのまま焦点距離になる。

・太陽を使わないときは、レンズを通して印刷の文字を見て、文字がぼやける瞬間の距離が焦点距離になる。

 

・望遠鏡の倍率の求め方は、

 「倍率=対物レンズの焦点距離÷接眼レンズの焦点距離」となる。

 

・例えば、2倍レンズで焦点距離18cm÷3.5倍レンズで焦点距離10cm=1.8倍となる。

 

・今回作成する望遠鏡は、3.5倍のレンズを2枚重ねたものを使用するので、2倍レンズ焦点距離18cm÷3.5倍レンズを2枚重ね焦点距離5cm=3.6倍の望遠鏡になる。

 

※対物レンズと接眼レンズが同じ焦点距離だと、1倍になる。

対物レンズ側の方が接眼レンズより焦点距離が長くないと、大きく見えない。

 

(3)3.6倍の望遠鏡の作成。

・鏡筒は直径がわずかに違う塩ビ管2本をつかって、部品を接着剤で貼り付けながら作成していく。

※接着剤が、レンズなどについてしまったら、消毒用アルコールで拭くと取れる。


・頑張って、作成。

・無事、完成し大きく風景などが見えます!

・これで星空を見ると、金星の満ち欠けやオリオン大星雲、スバルの星々が見えます。

【感想】
研修会で渋谷先生に教えていただきながら、実像を光源にして、もう一つのレンズで虚像にして見るということを作図を使って自分たちで考えることで、望遠鏡が拡大して見える原理が分かり感動しました。中1で学習したことの延長で作成されていることが分かり、理科の奥深さと生活と結びつくことのおもしろさを改めて感じました。レンズを2枚重ねると倍率や焦点距離が変化することや、2枚のレンズを組み合わせる発想など、目から鱗でした。柔軟に発想するものの見方や行動が大切なことも実感し、学習の中で子どもたちにそんな時間も作っていきたいと思いました。


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2016/08/10

H28年度 夏期研修会~更埴地方の地層の特徴~

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平成28年度 更埴理科教育研究会 夏期研修会~更埴地方の地層の特徴~活動報告
~概要~現在は陸地であり、標高の高い山になっているが、この千曲市もかつては海だった。その当時に、海底の火山活動により、ローム層ができたり、流紋岩・安山岩の地層ができたりした。その当時の様子を知る路頭は、道路の崩落防止のため、コンクリートで表面を固められてしまっている箇所も多くあるが、直接見ることのできる場所もある。講師の八幡小学校の若林一成校長先生に案内していただきながら、貴重な路頭を観察した。

平成28年7月29日

「千曲市 冠着山周辺 聖湖 古峠 鳥居平」

・ローム層の観察

・流紋岩、安山岩の路頭観察

以下は路頭の観察した場所の特徴。

(1)聖湖東 ローム層


更埴地方の火山灰は、森地域の宮坂峠は古期ロームで約30~60万年前と古く、冠着山周辺は新しく焼く0万年前以降の新期ロームである。大町方面に向かって厚く堆積していることから、立山火山からの噴出物であり、黒雲母・長石・輝石・ガラス類が含まれている。

(2)聖湖南東 凝灰角礫岩


一本松峠から鳥居平までの道路沿いの路頭で見られる。冠着山周辺では一番新しい第三紀層になる。長楽寺の姥石、雌石もこの凝灰角礫岩と同じもので、土石流で運ばれた説と、姥石は地下からの貫入による安山岩の岩体の路頭ではないかという説がある。

(3)一本松峠 東 凝灰角礫岩


凝灰角礫岩でも砂岩、泥岩を含んでいたり、硬質であったりして、様相は違っている。塩野入忠雄氏は、安山岩質凝灰岩としている。約600~700万年前の海退期の最後の海の海底堆積物である。

(4)古峠 高原状平坦面と侵食

海抜1000mほどには、千曲高原(ゴルフ場)、坊城平(更科)、鳥居平(上山田)、大黒平(上山田)、和平(坂城町)がある。

これらを繋げて、西に延長すると大町市東の大峰に平坦面を想像でき、これが第四紀初期に形成された「大峰面(隆起基準面)」で、侵食により深く削られていった。前日の高原状平坦面は、侵食断片で残ったものであり、冠着山は大峰面上に侵食し、残された安山岩の残丘である。

(5)古峠 東 安山岩


羽尾地区に抜ける林道は、崩落箇所があり車では直接行けないため、歩いていった。途中アサギマダラやマタタビの実、ツユクサなどの動植物を見ることが出来た。路頭はやや緑がかった安山岩で、地下からの貫入による岩脈である。冠着山も安山岩からできている。

(6)鳥居平 西 熱変質の凝灰角礫岩


全体的に白っぽく、崩れやすくなっている。冠着山形成による、安山岩質マグマによる熱変質を受けた。

~参加した感想~

今は山(冠着山)になっているが、その昔は海であり、それが隆起して標高の高い所に平らな面があったが、侵食され残った部分は山になり現在の地形になっているという時の雄大さに驚いた。火山灰の堆積によるローム層の堆積の厚さも数mもあり、当時の火山活動の激しさが想像できた。何気なく、通っている山道だったが、路頭に着目していくことで、この地域の歴史や成り立ちがわかり、とても勉強になった。


 

 

 

 

 




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2015/08/05

平成27年度 更埴理科教育研究会 夏期研修会

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平成27年7月31日に更埴理科教育研究会夏期研修会~姨捨長楽寺棚田周辺の植物~が行われました。

笠原光枝先生のご指導のもと、姨捨長楽寺棚田周辺において千曲市版レッドデータバンク(2011年発行)に記載されている植物の観察をしました。



 

 千曲市 姨捨長楽寺での観察

長楽寺の姨岩は凝灰角礫岩であり、三峯山の山体の一部が崩れて土石流の際に移動してできたものである。姨岩にて観察した植物は以下の通りです。

・イワヒバ

・オノマンネングサ

・ノキシノブ

・ツメレンゲ

・キカラスウリ





イワヒバ

シノブの胞子嚢
岩場や樹幹に着床し、葉は厚く線形。胞子嚢群は大きな円型をしている。




千曲市 姨捨長楽寺棚田周辺(保全コース及び希少種保全園)での観察

千曲市姨捨地区の棚田は約1500枚あり、重要文化的景観に選定されている。農薬を使わずに農作業を行っているため、絶滅危惧種に指定されている植物も観察することができた。特に棚田保全コースではイチョウウキゴケやミズオオバコ、サンショウモなどの水生植物を多く観察することができた。


観察した植物
・ヤブラン

・ヤブカンゾウ

・ナデシコ

・コウヤワラビ

・クズ

・ホオズキ

・コウゾリナ

・スズサイコ

・ミズオオバコ

・サンショウモ

・イチョウウキゴケ

・オモダカ

・カワラナデシコ

・ツリガネニンジン

・アキノカラマツ

・ホテイアオイの仲間

・アゼナ

・コオニユリ

・ヒルガオ

・クサフジ

・クマツヅラ

・タコノアシ(希少種保全園)

・キキョウ

・ドクダミ

・セリ

・オニグルミ

・オオブタクサ

・チドメグサ

・クララ

・アカツメクサ

・アザミ

・コウヤワラビ

・イヌビエ

・クルマバナ

・ヘラバオオバコ

・コバギボウシ

・アオイ

・サワオトギリ
・ボタンヅル


ミズオオバコ



イチョウウキゴケ
イチョウの葉の形が特徴です。指に乗る程度の水に浮くコケ類。



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