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2012/08/07

第11回信州自然学

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第11回信州自然学

 878日に第11回信州自然学が行われました。県内各地より多くの先生にご参加いただき、北安曇地区の特色ある自然環境について研鑽を積むことができました。

1日目  栂池自然園

 観察開始時には、あいにくの雨に遭い、雨具を着用しての散策となってしまいましたが、昼食頃には雨も上がり、雨露のついた美しい高山植物が観察できました。

この他にも、多くの動植物達に出会いました。後日さらに写真をアップしたいと思います。

バードコール製作
 野外観察を終えてから、小谷中の技術室にて、バードコールを製作しました。これは、丸い木の棒に金属製の
ねじを埋め込み、もうひとつの木の棒にねじを入れる穴を開けて作ります。木の中に入れたねじを回すと「キュッキュッ」など鳥のさえずりのような音が出ます。ねじにマツヤニを塗ったり、ねじ穴の大きさを変えたりして音の高低をつくり、自分だけのオリジナルバードコールをつくることができました。

噴湯丘
 宿泊施設についてから、大町の高瀬渓谷にある噴湯丘について、宮沢先生を講師にお招きし、学習しました。この噴湯丘は、湧きでる温泉に含まれる炭酸カルシウムが結晶化して長年かけて3mに成長したものです。過去には5mほどのものも存在したそうですが、洪水などで削られてしま今はありません。現存する噴湯丘は国の天然記念物に指定されています。湧き出る85のお湯の中には、生物の起源とも言われる緑色硫黄細菌や化学合成細菌のつくる硫黄芝も観察できます。
 噴湯丘研究の第一人者である宮沢先生の説明でを分かりやすくかつ興味深く学習をすることができました。

2日目 中綱湖のヌマカイメンと中農具川のカワシンジュガイ
 宿泊施設から、仁科三湖の中心に位置する中綱湖に移動し、淡水にすむカイメンのヌマカイメンを観察しました。ここでは、ヌマカイメンとカワシンジュガイを長年研究している木船先生を講師にお招きし、実物を見ながらその生態や体の特徴などについて詳しく説明していただきました。

 5月ころから成長を始めたヌマカイメンは、夏を迎えて最大級に成長しており、まさに海に生息するカイメンのようでした。箱メガネを使い、実際に水中に入って間近で観察することができました。ちなみに、現在県内でヌマカイメンが観察できるのは中綱湖のみです。

 続いて、農具川に移動し、カワシンジュガイの群生地を観察しました。

 ほとんどのカワシンジュガイが12㎝ほどに成長していました。ここまで成長するには50年ほどかかるそうです。この貝は幼生のとき魚の鰓に寄生して成長しますが、その寄生主となるにはサケ科の魚類のみだそうです。(ここではヤマメ)川の流れによって、川底での立つ向きを変化させるなど特徴的な生態を詳しく説明していただきました。

山岳博物館
 最後に、山岳都市大町ならではの施設である山岳博物館にて、登山の歴史、北アルプスの動植物そして特別展示としてスイスの山岳鉄道について学習をしました。各フロアに1名ずつ学芸員の方がついていただき、丁寧に説明をしていただきました。
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